旅する地球の生き物たち
あらすじ/作品情報
2020年ライブラリー・ジャーナル誌BEST BOOK選出(サイエンス&テクノロジー部門)2020年パブリッシャーズ・ウィークリー誌ベスト・ノンフィクション選出地球上の生物は、常に動いている!季節ごとに渡りを繰り返す鳥や昆虫、気候変動で生息地を変える動植物、そして災害や紛争で移動を繰り返す人類。生物はどのように移動し、繁栄・衰退してきたのか。その移動は地球環境にどのような影響を与えてきたのか。彼らの移動は妨げるべきものなのか。地球規模の生物の移動の過去と未来を、気鋭の科学ジャーナリストが、生物学から分類学、社会科学的視点もふまえた広い視野で解き明かす。―――――[原著書評より抜粋]絶えず移動している私たち人間を素晴らしく独創的に活写。――ナオミ・クライン(ジャーナリストで作家。『ショック・ドクトリン』の著者)移民・移入・侵入種に関する誤った物語を暴き、ヒトの遺伝子には移動しようという他の生き物と共通の衝動が書き込まれているとするすばらしい研究。……対象をあくまでも追跡する推理小説であり報道記事であるこの作品は、著者シャーを世界の果てまで、また歴史の彼方まで連れ出す。……話を巡らせながら、ヒトがなぜあちこちへ動き回るのかを語るこの本は……数ヶ月後の予言も、数年後の予言も等しく的中させそうだ。なぜなら、本書は何が人類を移動させるのか、そして、こうした大量移動はより多数が定住しているコミュニティや国家に利益をもたらすのか、という二つの疑問を発しており、これらの疑問は私たちの地政学的活動をすでに具体化しつつあるのだから。――ガーディアン紙思慮深く示唆に富む移動擁護論。――サイエンス誌読者を夢中にさせる本書は、ヒトだろうとヒト以外だろうと今日の移動は地球規模の危機を表すのだという概念に逆らい、歴史や取材や広範な科学研究をよりどころとして、移動は「普通に続いている現実」であることを示している。――ニューヨーカー誌反移民政治家たちが不必要で残酷な防壁を造るためにデータをゆがめ、また誤用している、そしてまた、私たちが社会的、政治的、生態学的に大幅に変化した世界に直面するのは避けようがないに違いない、そうシャーが主張するのはもっともだ。その結果変化したコミュニティは単に変わるだけでなく、多くの場合温暖化する世界によりよく適応して繁栄することだろう。――ネイチャー誌